もっとすごい薬効がわかった魚のEPA

血管を強くし、成人病に効く!

矢澤 一良 著 1993.12.18 発行
ISBN 4-89295-018-1 C2177 文庫サイズ 48ページ 本体 250円(税抜)

魚のEPAで健康ライフ

もっとすごい薬効がわかった魚のEPA

以前どこかの小学校で、図画の時間に魚の絵を描かせたところ、一人の生徒が“切り身”の魚の絵を描いたという話がありました。その子供は、魚というのは切り身の形で海中を泳いでいると思っていたらしいのです。まったく冗談みたいな話ですが、笑いとばすには空恐ろしいエピソードですね。

わたしたちの日常生活から、魚がどれほど離れた存在になってしまったかがわかります。肉食中心になっている現在の食生活を考えれば、近い将来には、切り身の魚さえ知らぬ子供が出現するかもしれません。

四方を海に囲まれ、海の恵みをうけて数千年生きてきたわれわれ日本人ですが、ここ二、三十年で食生活はすっかり様変わりしてしまいました。レストランの人気メニューは、ハンバーガーにフライドチキン、ステーキ、ピザ、グラタン、スパゲッティ…などなど。家畜肉を使った高カロリー食品ばかりです。

ところが、一九七一年、魚を忘れた日本人のもとに、デンマークのダイエルバーグ博士の研究報告が伝えられました。「魚食中心のエスキモーには、血栓症が少ない」血栓症といえば、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こす恐ろしい病気。その発症数が、魚をたくさん食べているエスキモーには少ないというのです。たしかに、魚食が中心だった戦前の日本人も、血栓症にかかるケースはごく少数でした。しかし現在、血栓症で死亡する人口は、欧米人に勝るとも劣らない勢いで急上昇しています。さらにダイエルバーグ博士は、「魚食が血栓症に効果的なのは、魚に含まれている“EPA”という成分が、血栓症の改善に有効に作用しているためだ」と発表しました。以後、世界各国でEPAについての研究が行われるようになり、その素晴らしい効能が次々と明らかにされていきました。

この本では、そうした研究報告を逐一取り上げながらガン、高血圧、糖尿病、アレルギー病といった現代病の予防・改善に、EPAがどのように効果を発揮していくのかを紹介してあります。一九八六年に、わたしが発見した「新型EPA」のダイエット効果についても、詳しく書いておきました。 多少、専門的な用語が鼻につくかもしれませんが、EPAの働きをご理解いただくためには、ぜひ読み進めていただきたいと願います。


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