魚のDHAで難病(ガン・心臓病・アレルギー)に克つ

まだまだあった魚食の効果

矢澤 一良 著 1993.03.14 発行
ISBN 4-89295-319-9 C2177 文庫サイズ 48ページ 本体 250円(税抜)

老人性痴呆症の克服に大きな期待

魚のDHAで難病(ガン・心臓病・アレルギー)に克つ

DHAで「脳血管型」は予防できる
老人性痴呆症は大きく分けて「脳血管型」と「アルツハイマー型」に二分できます。
日本人に多い脳血管型は、脳血栓や動脈破裂などによって、一部の脳細胞が死滅すると発症します。ですから、DHAの“高血栓作用”と“コレステロール低下作用”で予防することは可能です。
アルツハイマー型は、脳の中で記憶・学習をつかさどる「海馬」の神経細胞の突起が、広範囲にわたって破壊、切断、消失することで発症します。
海馬といえばDHAが集中して存在する部分です。アルツハイマー型で死亡した人は同年代の他の疾患で死亡した人に比べて、海馬のDHAが集中含有量が半分に減少していたとの報告もあり、その発症にDHAが関係している可能性は大です。
とすれば、その回復にもDHA効果が大きく期待できることになります。
次のグラフは、平山雄氏がアルツハイマー病患者(脳血管型をともなわない痴呆症患者)120例について、その死亡率を追跡調査したものです。
毎日魚介類を食べている人のほうの発症数が、どの年齢でも低くなっているのがわかります。

DHAが脳細胞を柔らかくする
老人性痴呆症では、一部の脳細胞が破壊された状態になります。しかし、すべての細胞が死滅するわけではありませんから、生き残っている細胞の活性を高めることができれば、死滅した細胞のぶんをカバーすることは可能です。
脳細胞にとって必須であるDHAが、老人性痴呆症患者の脳で有効に働けば、脳血管型・アルツハイマー型痴呆症の予防および改善にDHA効果が大いに期待できるでしょう。


魚介類摂取頻度別にみたアルツハイマー病死病率

魚介類摂取頻度別にみたアルツハイマー病死病率

その他のDHA・EPA関連書籍