
魚は栄養の宝庫
魚はDHA以外にも、栄養素がいっぱい含まれています。
たとえば、さきほどのマグロ。
マグロの脂身には、成人病やガンの予防、生殖器の機能を高めるビタミンEが比較的多く含まれています。また、動脈硬化を防ぎ、老化をストップさせる働きをもつ微量元素も豊富です。
体力増強、精力アップといえばおなじみのウナギには、ビタミンB1、B2、D3などが豊富に含まれ、トリ目や脚気などに良いビタミンAも含まれています。
サンマの栄養価も見逃せません。サンマのタンパク質は人体内で有効に利用されるため、青魚のなかでも一番栄養価値の高い魚といえるでしょう。
そのほかにも、タラコやイクラといった魚のタマゴにはビタミンがいっぱいです。
とくにタラコは心臓や脳卒中を予防するといわれるビタミンEが豊富に含まれ、生殖機能の若返りにもバッチリ。ちなみにスジコとイクラはDHA含有量も非常に高いのです。
魚に含まれる主な無機質とビタミン
カルシウム | 骨を丈夫にし、イライラを防ぐ |
ビタミンD | カルシウムの吸収をよくする |
ビタミンA | 皮膚や目を健康にし、ガンの発生を抑える効果があるといわれる |
ビタミンB1 | 肥満やニキビの予防 便秘の解消や疲労回復 |
ビタミンB2 | 皮膚炎などの予防 |
ビタミンE | 脂肪の酸化を防ぐ、生殖機能の若返り |
目玉と皮が一番の栄養
魚の目玉の裏側には、“神経のビタミン”との異名をもつビタミンB12が豊富に含まれているのです。
これが不足すると精神的にイライラしてヒステリーを起こしたり、神経炎の原因にもなります。
またビタミンB1も多く含まれていますので、貧血気味の人はとくに目玉を食べるとよいでしょう。
目玉同様に、魚の皮も捨てられません。皮にはビタミンB2がたっぷり含有され、口内炎などに効果的です。
そして血合いの部分も栄養素の宝庫。血合いというのは、魚の切り身で見た場合、赤黒い色をした部分です。ここにはビタミンA群、ビタミンB群、カルシウムを体内に吸収するときに必要なビタミンD3がたくさん含まれています。D3は魚特有の栄養素ですから、血合いを食べなければ、摂取する機会がめったにありません。また、ヘモグロビンやミオグロビンといった鉄を含む色素タンパク質も多く含まれています。
とにかく魚はどれでも、頭からまるかじりで食べて欲しいくらい、無駄のない栄養価バツグンの食品なのです。
ただし、川魚についてはいくら鮮度が良くても、生食いすると寄生虫による病気になる危険性がありますから、注意が必要です。