
DHAは胎児の健康状態も左右する
クロフォード教授は、胎児の発達とDHAの関係について、さらに次のような発言をしています。
「未熟児を調べてみたところ、DHAの含有量が非常に少ないことがわかりました。また、盲目で生まれたり発育が遅れている赤ちゃんを調べてみた場合も、やはりDHAが極端に少なくなっていることが明らかになっています」
つまりDHAは、胎児の能力に影響するだけでなく、健康状態にまで大きく関係していることがわかります。
母胎からのDHA補給が不足すると、最悪の場合、流産や死産、あるいは脳細胞の数が少ない先天性の精神薄弱児が生まれてくる危険性もあるのです。
母乳にもDHAが含まれている
DHAの影響は、胎児にかぎらず乳幼児の成長にも大きな意味をもっています。
乳児は一般的に母乳で育つわけですが、その母乳にはDHAがしっかり含まれているのです。
わたしたちはDHA系列のα−リノレン酸も食べているので、母乳のDHA含有量は市販の牛乳の数倍にもなります。
しかし、この数値はあくまで健康な状態の母親の母乳の場合です。母体が授乳期間中にDHAの摂取を怠れば、当然数値は低くなります。
乳児の健康と能力を育むために、お母さんは魚を食べることが必要です。
では、母乳で育てられない乳児には、DHA補給は無理なのでしょうか。
ご安心ください。DHA入りの粉ミルクがすでに市販されています。
(後略)
日本人と欧米人の母乳の違い
ところで、同じ母乳でも国によってDHAの含有量に大きな差があります。
母乳100ml中のDHAの量は、
◎アメリカ人……………7mg
◎オーストラリア人……10mg
◎日本人………………22mg
となっています。日本人の母乳がダントツでDDを多く含んでいることがわかりますね。
母体のなかで胎児に充分な量のDHAを補給し、DHAをたっぷり含んだ母乳をあたえれば、子供が優秀になる可能性があるのです。