
三種の油で動物実験
米国のポーリング科学研究所のキャロル博士らは、油の種類による乳ガンの発生率を調べています。
《実験内容》
六群に分けたラットに、それぞれ以下の油を与えて飼育しました。なお@群のラット以外は、発ガン物質を投与しています。
@ラード(飽和・一価不飽和脂肪酸系)
Aアマニ油(α─リノレン酸系)
B魚 油(DHA・EPA)
C月見草油(リノール酸系)
Dコーン油(リノール酸系)
Eベニバナ油(リノール酸系)
《結果》
約一〇ヵ月後、それぞれの乳ガンの腫瘍発生数を比較した結果が、下の図です。α─リノレン酸系の「アマニ油」と、DHA・EPAを含む「魚油」による飼育群のガン発生が、ほかの油に大差をつけて、かなり少なく抑えられていますね。
この結果から、日常的に摂取する油の質によって乳ガンの発生率は大きく異なり、α─リノレン酸とDHA・EPAには、乳ガンの発生を最小限に抑える効果が十分期待できることが予測できます。
カツオの油でも効果を立証
山梨大学医学部の佐藤彰夫教授らと日本油脂が行なった研究では、リノール酸系の「コーン油」と、DHA・EPAを豊富に含む「カツオ油」を与えたマウスの乳ガンの腫瘍発生数をくらべた結果、コーン油群が二五個であったのに対し、カツオ油を与えたマウスでは七個でした。さらに腫瘍の平均直径も、カツオ油群のほうが約五分の一と小さくなっていたことを明らかにしています。
ラットの乳ガン発生に及ぼす油脂の影響